子どもの注意欠如多動症(ADHD)
症状
不注意
- ケアレスミスが多い
- 注意が持続できず、気が散る
- 話しかけられても聞いていないように見える(注意散漫)
- 順序だてて行えず、やり遂げられない
- 物をよくなくす
- 忘れものが多い
多動性、衝動性
- 席にじっと座ってられず、席を立つ
- そわそわと手足を動かす
- 静かにしているのが苦手で落ち着かない
- 不適切な状況で走りまったり、高い所にのぼったりする
- しゃべりすぎる
- 人が話し終わる前に話しだす
- 人の邪魔をする
- 順番を待てない
原因
近年の研究によると、行動等をコントロールしている神経系に原因がある脳の機能障害であり、特に前頭葉の働きが弱いことが関係していると考えられています。
治療
療育(発達支援)
周りの環境を整える
(例)
- 学校で一番前の席にして、刺激を減らす
- 自宅では勉強机には何もおかない
- 忘れ物を減らすように、玄関などに置き場所を決める
- 確認することがらはホワイトボードだけなど、ひとつにまとめる
社会生活に参加するためのスキルを身につける
(例)
- 忘れ物を減らすために、確認する癖をつける
薬物療法
ドパミンやノルアドレナリン等の神経伝達物質の調整をおこなう薬物を主に使います。
コンサータやビバンセは不適正な使用による依存や乱用のリスク、不適切な流通が懸念されていることから、登録システムを用いて流通管理されています。
接し方
できないことよりもできることに着目する
できないことばかりに目がいきがちですが、できないことばかりを指摘すると、自信を失ってしまい自己肯定感を得られなくなります。できることに注目し、肯定的にとらえることで、自信がつき、成功体験の積み重ねにより自己肯定感がはぐくまれます。できたという体験が自信となり、次のやる気につながります。またADHDのお子さんの中には自分の好きなことに関してはものすごい集中力を発揮する子もいます。その子の強みを発見し、サポートすることが自信の獲得につながります。
失敗しないような声かけをする
衝動的に行動してしまうようなお子さんには、前もって「順番に並ぼう」などと声かけをしたり、事前に机の周りを整理し気が散らないようにするなどの失敗しないようなサポートが大切です。
動ける時間をつくってメリハリをつける
じっとしていないといけない場面では、多動を無理におさえようとせず、課題の途中でひとやすみしたり、体を動かせる役割を与えるなど、動ける時間と静かにする時間のメリハリをつけることが大切です。
一緒に対策を考える
どんな時に失敗したりうまくいかない事が多いかを一緒に相談し、対策を考えていくといいです。「前もって準備をしたら、忘れ物が減った」などの成功体験を積み重ねて、自分の特性との付き合い方を一緒の考えていくことが大切です。