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子どもの自閉スペクトラム症(ASD)

対人関係の苦手さや強いこだわり等の特徴をもつ発達障害の一つです。これらの特性が少しでもあることにより、学校生活や家庭生活などの日常生活に支障を来し、福祉的・医療的サポートが必要な状態まで幅広く含まれます。
原因は不明ですが、生まれつきの脳機能の異常によるものではないかと考えられています。「育て方が悪いのか、しつけの問題なのか」と悩む方がいますが、これまでの多くの研究からは親の育て方やしつけ方などが原因ではないということがわかっています。

自閉スペクトラム症が疑われる子どもの特徴

  • 視線が合わない、合っても共感的でない 
  • 欲しいもの等を言葉や身振りで伝えずに、親の手をつかんで連れて行って示す(クレーン現象)
  • 名前を呼んでも振り向かない
  • ひとりごとが多い、オウム返しする
  • 人見知りをしない、親の後追いをしない
  • 親が指さしをしてもなかなかそちらを見ない
  • 抱っこを嫌がったり、抱っこするとのけぞる
  • 一人遊びが多い、ごっこ遊びしない
  • 野菜を全く食べない、お肉を食べないなど好き嫌いが激しい(偏食)
  • 喜怒哀楽などの表情が乏しい、または不自然

治療

上記のような特徴は生まれもっと「特性」です。そのため特性自体を薬等で治すことはできません。治療の基本は一人ひとりの特性に合わせた支援を行うことで、これを「療育」といいます。療育によって、日常生活を過ごしやすくすることができます。

聴覚過敏などの感覚過敏、興奮、パニック、自傷行為、攻撃性、不眠などがある場合には、対症療法的として薬物が処方することがあります。小児期の自閉スペクトラム症について適応の薬剤にはエビリファイ、リスパダール等があります。漢方薬を使用することもあります。

二次障害について

特性をまわりにうまく理解されず、同世代の子どもたちから仲間はずれにされる、からかわれるなどのいじめの対象となってしまうこともあります。また一生懸命努力しても失敗を繰り返すことがあり、保護者や教師から過剰に叱られ続けることにより、成功体験がはぐくまれず、「一生懸命やっているのにいつも怒られる」「わたしはだめな子なんだ」と自己肯定感が下がってしまいます。こういった過剰なストレスにより、身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、チック等)、精神症状(不安、抑うつ、緊張、興奮等)、不登校やひきこもり、暴言暴力、自傷行為などといった「二次的な問題(二次障害)」を引き起こしやすいといわれています。二次障害をおこす前に、できるだけ早くその子の特性に気づいて、正しく理解し支援をして、ストレスを感じにくい生活環境を整え、本人の「生きづらさ」を軽減させることが大切な対応となります。

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