不登校
児童精神科において、最も多いお悩みが、不登校です。何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくてもできない状況にあることと定義されています。(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)
不登校のきっかけ
不登校の理由は様々ですが、大きく分けると「学校に関連するもの」「家庭に関連するもの」「本人に関連するもの」の3つに分けられます。
学校に関連するもの
- いじめ
- 友人関係
- 勉強についていけない
- 学校の雰囲気になじめない等
家庭の関連するもの
- 親子関係
- 家庭内の不和
- 家庭環境など生活環境の変化等
本人に関連するもの
- 無気力
- 非行
- 社交不安障害、うつ病など
不登校と精神疾患の関連
発達障害
コミュニケーションがうまくいかないなどのケースでは自閉スペクトラム症(ASD)等の特性によるものの可能性もあります。また忘れ物が多い・提出物が出せない等の不注意症状から自己肯定感がはぐくまれず自信がなくなる、すぐに手が出てしまう等の衝動性の症状などから友達とトラブルを起こしてしまうといった場合は注意欠如多動症(ADHD)の可能性もあります。専門の医師やカウンセラーに相談し、担任の先生と連携しながら支援をしていく必要があります。
不安障害
原因不明の不安、対人恐怖などの症状が原因の場合もあります。不安障害の初期症状の可能性もあるので、専門機関を受診することをお勧めします。
→社交不安障害について詳しく
不登校の対処法
学校でのトラブル
学業不振、いじめ、クラスや部活が合わない、嫌いな先生がいる、友達とのけんかなど、学校でのトラブルはよくみられる不登校の原因です。学業不振などでは本人の能力や特性にあったやり方(保護者が教える、個別指導の塾の利用など)でサポートすることが大切です。それ以外のトラブルについては学校と連携をはかり、本人の意志も尊重しながら解決策を検討していきましょう。
無気力
勉強や部活を頑張って燃え尽きてしまった、せっかく勉強して入学したけどイメージと違ったといった時に、無気力状態に陥りやすいと言われています。無気力が原因で本人が学校に行きたくないといった時、登校があまりにもつらそうな時には、無理をせずに休ませてあげることも必要です。このときはできるだけ、学校生活と同じリズムで生活し、家族と一緒に出かけたり食事をするといいでしょう。
家庭環境
離婚、生活困窮、引っ越しなども不登校の原因になりえます。多くは家庭環境のピリピリ感が子供に伝わって、ストレスとなり不登校につながるケースです。親に迷惑をかけたくないと遠慮して気持ちがすれ違ってしまうこともあります。どうしてほしいのか、本人はどうしたいのか、ゆっくり話し合ってみるとよいでしょう。
学校や家庭環境の問題など医療的な介入が難しいこともありますが、発達障害や社交不安障害など精神疾患が関与している場合は医療の介入により改善に向かうこともあります。心理士によるカウンセリングも可能です。一度ご相談ください。